(イントロダクション)
待機児童問題の解消や、地域における子育て支援の担い手を増やすことを目的として創設された「子育て支援員」制度。全国各地で研修が実施され、保育所や放課後児童クラブ、乳児院など様々な現場で活躍する人々が増えています。保育士資格を持っていなくても、所定の研修を修了することで保育や子育て支援の分野に従事できるこの資格は、子育て経験者や地域貢献に関心のある人々にとって重要なキャリアの入り口となっています。しかし、専門職として子どもの命や心身の成長に関わる以上、そこには厳格な倫理規定や遵守すべきルールが存在します。「知らなかった」では済まされない重大な過失や、無自覚のうちに行ってしまう不適切な関わりは、子どもの安全を脅かすだけでなく、保護者との信頼関係を崩壊させ、最悪の場合は法的な責任を問われる事態にも発展しかねません。
本記事では、子育て支援員として働く上で絶対に避けるべき「やってはいけないこと」について、法的・倫理的な側面、子どもへの具体的な関わり方、保護者対応や職場での振る舞いなど、多角的な視点から幅広く調査し、詳細に解説します。これから子育て支援員を目指す方はもちろん、既に現場で働いている方にとっても、自身の行動を振り返り、質の高い支援を提供するための指針となるよう情報を網羅しました。専門職としての責任と誇りを持ち、子どもたちの最善の利益を守るために何が必要か、あるいは何が不要かを確認していきましょう。
子育て支援員の業務における法的・倫理的にやってはいけないこと
子育て支援員は、公的な研修を受けた専門的な支援者として位置づけられています。そのため、単なるボランティアや個人的な手助けとは異なり、法律や職業倫理に基づいた厳格な行動規範が求められます。ここでは、法的・倫理的に許されない重大な禁止事項について詳述します。

個人情報の漏洩やプライバシーの侵害(守秘義務違反)
子育て支援員が業務に従事する中で最も厳守しなければならないルールの一つが「守秘義務」です。保育や子育て支援の現場では、子どもの名前、住所、生年月日といった基本情報だけでなく、家庭環境、保護者の職業、病歴、発達の状況、家庭内でのトラブルなど、極めて機微な個人情報に触れる機会が日常的にあります。これらの情報を、業務上の正当な理由なく第三者に漏らすことは、絶対にあってはならない行為です。
具体的に「やってはいけないこと」としては、以下のようなケースが挙げられます。まず、職場の外で知人や友人に「〇〇ちゃんの家は実は離婚調停中らしい」「〇〇くんは発達に少し遅れがあるみたい」といった話をする行為です。たとえ悪気がなく、単なる世間話のつもりであっても、個人の特定につながる情報を話した時点で守秘義務違反となります。また、スーパーマーケットやカフェなど、地域の人が集まる場所で同僚と大きな声で園児や保護者の話をする行為も、周囲に誰がいるかわからないため避けるべきです。
さらに、現代においてはSNSへの投稿も重大なリスクを伴います。子どもの写真や、個人が特定できるようなエピソードを許可なくブログやTwitter、Instagramなどにアップロードする行為は、プライバシーの侵害に直結します。たとえ顔を隠していたとしても、服装や背景、記述内容から個人が特定されるケースは後を絶ちません。一度ネット上に流出した情報は完全に削除することが困難であり、子どもの将来にわたって影響を及ぼす可能性があるため、デジタルデータの取り扱いには細心の注意が必要です。書類の管理においても、名簿や連絡帳を机の上に放置したり、紛失したりすることは許されません。個人情報保護法や各自治体の条例、施設の規定に基づき、情報は鍵のかかる場所に保管し、持ち出しを禁止するなど、徹底した管理が求められます。
虐待にあたる行為や不適切な関わり(身体的・心理的虐待)
児童福祉法や児童虐待防止法において、子どもに対する虐待は固く禁じられています。子育て支援員は、虐待を発見し通告する義務を負う立場にあると同時に、自身が虐待の加害者にならないよう、常に自らの言動を律する必要があります。ここで言う虐待とは、殴る・蹴るといった明確な身体的暴力だけではありません。
「やってはいけないこと」の範疇には、しつけと称して叩く、つねる、長時間正座させるといった身体的虐待はもちろんのこと、言葉による暴力や心理的な圧迫を与える心理的虐待も含まれます。例えば、「あなたなんか嫌い」「言うことを聞かない子は捨ててしまうよ」といった脅し文句や、子どもの自尊心を著しく傷つける暴言は、子どもの心に深い傷を残す行為です。また、特定の子どもを無視する、食事を与えない、排泄の失敗を皆の前で嘲笑するといった行為も、ネグレクトや心理的虐待に該当する可能性があります。
さらに、性的虐待についても厳重な注意が必要です。おむつ替えや着替えの際に必要以上に身体を触る、性的な冗談を言う、プライベートな部分を不用意に露出させるといった行為は、重大な人権侵害であり、犯罪行為となる場合もあります。子育て支援員は、自身の行動が客観的に見て適切かどうか、常に「子どもの権利条約」や「保育所保育指針」などの基準に照らし合わせて判断しなければなりません。「昔はこれくらい普通だった」という個人的な経験則や古い価値観で正当化することは許されず、現代の保育・支援基準に基づいた適切な関わりが求められます。不適切な関わりが常態化することは、施設全体の質を低下させるだけでなく、子どもたちの健全な育成を阻害する最大のリスク要因となります。
保護者や児童に対する差別的な言動や公平性を欠く態度
すべての子どもや保護者は、平等に支援を受ける権利を持っています。人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、障害の有無、家庭環境などを理由に、差別的な取り扱いをすることは、日本国憲法および児童福祉法の精神に反する行為であり、子育て支援員として絶対にやってはいけないことです。
具体的には、外国籍の家庭に対して偏見に基づいた発言をする、ひとり親家庭や生活保護受給世帯に対して差別的な視線を向ける、障害のある子どもに対して「手がかかるから」と排除するような態度をとるといった行為が該当します。また、保護者の職業や経済状況によって対応を変えたり、特定の保護者とだけ親密に接したりすることも、公平性を欠く行為として批判の対象となります。
支援の現場では、多様な背景を持つ家庭と関わることが前提となります。その中で、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が自身の言動に現れていないか、常に自問自答する姿勢が不可欠です。「あそこの家は〇〇だから」といった決めつけやレッテル貼りは、子どもの可能性を狭め、保護者との信頼関係を損なう原因となります。どの子どもも一人の尊重されるべき人間として接し、どの保護者に対しても誠実かつ公平に対応することが、プロフェッショナルとしての責務です。公平性は信頼の基盤であり、一度その信頼が失われれば、支援の効果は著しく低下してしまいます。
業務独占資格(保育士・看護師等)の業務範囲を超える医療行為等
子育て支援員は、保育士や看護師といった国家資格を持つ専門職のサポート役として機能する場合もあれば、小規模保育事業などで保育従事者として働く場合もあります。しかし、子育て支援員研修を修了したからといって、医師や看護師、あるいは保育士にしか認められていない独占業務を行えるようになるわけではありません。法令で定められた業務範囲を逸脱する行為は、違法行為となり得るため、厳に慎まなければなりません。
特に注意が必要なのが「医療行為」です。原則として、医師や看護師以外の者が医療行為を行うことは医師法などで禁じられています。例えば、インスリン注射、座薬の挿入、摘便、点滴の管理などは医療行為にあたります。子育て支援員が独自の判断で市販薬を飲ませたり、保護者から預かった薬であっても医師の指示書や施設のルールに基づかずに投薬したりすることは、「やってはいけないこと」に含まれます。もちろん、一定の条件を満たした研修を受けた上で、特定の行為(爪切りや軽い擦り傷の処置など、医療行為とみなされない範囲のケア)を行うことは可能ですが、その線引きは非常に厳密です。
また、保育士資格を持たない子育て支援員が、保育士として配置基準上の人数にカウントされるかどうかは、事業の種類や自治体の基準によって異なります。「保育士」と名乗って業務を行うことは資格詐称になりますし、専門的なアセスメントや計画作成など、高度な専門性が求められる業務については、有資格者の指導・助言の下で行う必要があります。自身の資格で認められている業務範囲を正しく理解し、判断に迷う場合は必ず責任者や有資格者に確認を仰ぐ姿勢が、安全管理上不可欠です。独断専行は事故の元であり、チーム全体の責任問題に発展する可能性があります。
子育て支援員が子どもとの関わりの中でやってはいけないこと
子育て支援員の本分は、子どもたちの健やかな成長を支え、安心できる居場所を提供することにあります。日々の関わりの中で、子どもの心を傷つけたり、危険に晒したりするような行動は厳禁です。ここでは、保育・支援の実践現場において具体的に避けるべきNG行動について掘り下げます。
子どもの人格を否定するような叱責や暴言
子どもが望ましくない行動をとった際、指導や注意が必要な場面は当然あります。しかし、その方法が子どもの人格そのものを否定するようなものであってはなりません。「ダメな子だね」「どうしてそんなこともできないの」「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」といった言葉は、子どもの自尊心を傷つけ、自己肯定感を低下させる原因となります。これらは指導ではなく、単なる感情的な攻撃と受け取られるべきものです。
「やってはいけないこと」の核心は、行動そのものではなく、子どもの存在や性格を否定することです。例えば、友達のおもちゃを取った子どもに対して、「あなたは悪い子だ」と言うのではなく、「おもちゃを取られたらお友達はどう思うかな?」「貸してって言ってみようか」と、具体的な行動の改善を促す関わりが求められます。また、大声で怒鳴りつけたり、威圧的な態度で恐怖心を与えて従わせようとしたりすることも、不適切な関わりです。子どもは恐怖によって一時的に行動を抑制するかもしれませんが、それは真の理解や成長にはつながりません。
さらに、他の子どもと比較して叱責することも避けるべきです。「〇〇ちゃんはできるのに、あなたはどうしてできないの」という比較は、子どもに劣等感を植え付け、周囲の子どもとの関係性も悪化させます。子育て支援員には、一人ひとりの子どもの発達段階や個性を理解し、肯定的かつ受容的な態度で関わることが求められます。言葉選び一つで子どもの心の持ちようは大きく変わるため、否定語ではなく肯定語を使い、子どもの気持ちに寄り添う姿勢を忘れてはなりません。
安全配慮義務を怠る行為や危険を放置する行動
子育て支援員には、預かっている子どもの生命と身体の安全を守る「安全配慮義務」があります。これは法的にも極めて重い責任であり、わずかな油断や不注意が重大な事故につながる可能性があります。したがって、安全管理を怠る行為や、危険を予見できたにもかかわらず放置するような行動は、決して許されません。
具体的に「やってはいけないこと」として、目を離してはならない場面で目を離す行為が挙げられます。特に乳幼児の場合、誤飲、転倒、窒息、溺水などの事故は瞬時に起こります。お昼寝中の呼吸確認(午睡チェック)を怠る、食事中に別室へ行く、散歩中にスマートフォンを操作する、プール活動中に監視役同士でお喋りに夢中になるといった行為は、職務怠慢であり、事故が発生した際には過失責任を問われます。
また、環境設定における不備を見過ごすことも危険です。壊れたおもちゃをそのままにしておく、ハサミやカッターなどの危険物を子どもの手の届く場所に放置する、ドアの指挟み防止対策を確認しないといったことも、安全配慮義務違反につながります。アレルギー対応においても、除去食の確認を怠ったり、成分表示を確認せずに与えたりすることは、アナフィラキシーショックなど命に関わる事態を招くため、絶対にやってはいけません。ヒヤリハット(事故には至らなかったがヒヤリとしたりハッとしたりした事例)を共有せず隠蔽することも、再発防止の機会を失うことになり、結果として子どもを危険に晒すことになります。安全は全てに優先される事項であり、常に危険予測を行い、環境を整え続けることが支援員の基本動作です。
特定の子どもだけを贔屓したり特別扱いしたりすること
集団生活において、支援者が特定の子どもに対してあからさまな贔屓(ひいき)や特別扱いをすることは、子どもたちの人間関係や集団の雰囲気を著しく損なう行為です。「あの子は可愛いから」「自分の知り合いの子だから」といった個人的な感情で、特定の子どもを優先的に抱っこしたり、おやつを多めに与えたり、ルール違反を見逃したりすることは、公平性の観点から「やってはいけないこと」です。
このような態度は、特別扱いされている子ども自身にとっても悪影響を及ぼします。特別扱いされることが当たり前になり、我慢や協調性を学ぶ機会を奪われる可能性があるからです。また、周囲の子どもたちは敏感にその差を感じ取り、「先生は〇〇ちゃんばかり可愛がる」「自分は大切にされていない」という不信感や嫉妬心を抱くようになります。これは、子ども同士のいじめや仲間外れにつながるリスクも孕んでいます。
逆に、特定の子どもを不当に厳しく扱ったり、排除したりすることも許されません。「あの子は手がかかるから嫌だ」という感情を表に出し、支援を後回しにしたり冷淡な態度をとったりすることは、支援者としての資質を疑われる行為です。子育て支援員は、どの子どもに対しても平等に愛情を注ぎ、一人ひとりの良さを認める姿勢を貫く必要があります。もちろん、個別の配慮が必要な場合(障害がある、体調が悪いなど)は適切な対応が必要ですが、それは「贔屓」とは異なる専門的な支援であり、その理由や背景を適切に理解し、他の子どもたちにも(年齢に応じて)納得できるよう配慮することが求められます。
子どもの発達段階を無視した無理な強要や過度な指導
子どもは一人ひとり成長のスピードが異なり、年齢や月齢に応じた発達の段階があります。子育て支援員が、子どもの発達段階を無視して、まだできないことを無理に強要したり、過度な早期教育的な指導を行ったりすることは、子どもの負担となり、成長を阻害する「やってはいけないこと」です。
例えば、排泄機能が未熟な子どもに対して無理やりトイレトレーニングを進め、失敗した際に厳しく叱責することは、子どもにプレッシャーや羞恥心を与え、逆効果になることが知られています。また、食事の際に「全部食べるまで遊ばせない」と完食を強要したり、嫌いなものを無理やり口に入れたりすることも、食事そのものを嫌いにしてしまう原因となります。運動面でも、筋力が十分に発達していない段階で無理な動きをさせれば、怪我のリスクが高まります。
「皆と同じようにしなければならない」という画一的な指導も注意が必要です。集団行動は大切ですが、個々のペースや特性を無視して統制を図ろうとすることは、子どもの主体性や意欲を削ぐことになります。子育て支援員に必要な知識として、乳幼児期の発達心理学や身体発育の目安があります。これらを理解せず、大人の都合や「こうあるべき」という理想だけで指導を行うことは避けなければなりません。子どもの「やりたい」という意欲を引き出し、できるようになったことを共に喜ぶ姿勢こそが大切であり、無理強いは百害あって一利なしと心得るべきです。子どものペースに寄り添い、スモールステップで支援することが、専門職としての正しい関わり方です。
子育て支援員が保護者対応や職場環境でやってはいけないこと
子育て支援の仕事は、子どもと関わるだけでなく、保護者への支援や職員間のチームワークも極めて重要な要素です。保護者との信頼関係が築けなければ適切な支援はできず、職場環境が悪化すれば保育の質そのものが低下します。ここでは、対人関係や組織の一員としてのNG行動について解説します。
保護者の意向を無視した独自の保育観の押し付け
保護者は、家庭ごとに異なる教育方針や子育ての価値観を持っています。子育て支援員が、自身の経験や個人的な保育観を絶対的な正解とし、保護者の意向を無視して押し付けることは「やってはいけないこと」です。
例えば、「母乳で育てるべきだ」「布おむつを使うべきだ」「早期教育をすべきだ」といった特定の価値観を、保護者が求めていないにもかかわらず強要したり、現在の育児方法を批判したりする行為は、保護者を追い詰め、支援者への不信感を招きます。保護者は日々の子育てに悩みや不安を抱えていることが多く、支援者に求めているのは批判や指導ではなく、共感や寄り添いです。
もちろん、子どもの安全に関わることや、明らかに不適切な養育については専門的な立場から助言を行う必要がありますが、それ以外の日々の育児については、家庭のスタイルを尊重することが基本です。「私の時はこうだった」「普通はこうする」という言葉で保護者のやり方を否定するのではなく、「そういうやり方もあるんですね」「お家ではどうされていますか?」と対話を重ね、保護者自身が納得できる方法を一緒に探す姿勢が求められます。支援員はあくまで伴走者であり、決定権を持つのは保護者であることを忘れてはなりません。
職員間の連携を乱す勝手な判断や報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の欠如
子育て支援の現場は、複数の職員が連携して子どもたちの安全を守るチームプレーの場です。一人の支援員が勝手な判断で行動したり、必要な報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を怠ったりすることは、重大な事故やトラブルの原因となるため、絶対にやってはいけません。
例えば、保護者からの連絡事項(お迎え時間の変更、薬の依頼、体調の変化など)を他の職員に伝えず自分だけで留めてしまう行為は、引き継ぎのミスを招き、子どもを危険に晒す可能性があります。また、園や施設の共通ルールを無視して、自分だけが特別に許可を与えたり、勝手な約束を子どもや保護者としたりすることも、組織としての整合性を欠き、他の職員への迷惑となります。「あの先生はいいって言ったのに」という状況が生まれれば、子どもは混乱し、職員間の不協和音が生じます。
さらに、事故や怪我が発生した際に、事実を隠蔽したり、過小報告したりすることも厳禁です。小さなトラブルであっても、迅速にリーダーや責任者に報告し、組織として対応を検討する必要があります。自身のミスを隠そうとする態度は、結果として問題を深刻化させ、施設全体の信用失墜につながります。日頃からコミュニケーションを密にし、情報を共有し合うことが、安全で質の高い支援を実現するための基盤となります。単独行動を慎み、組織の一員としての自覚を持つことが不可欠です。
SNS等への業務内容や園児の写真の無断投稿
これは個人情報の項目とも重なりますが、近年特に問題視されているのが、職員によるSNSへの不適切な投稿です。業務中に撮影した写真はもちろんのこと、休憩中や退勤後であっても、職務上知り得た情報や、園児・保護者・同僚のプライバシーに関わる内容をSNSに投稿することは、重大なコンプライアンス違反であり、「やってはいけないこと」の代表格です。
「今日は可愛い子どもたちと遠足でした」といった一見微笑ましい投稿であっても、背景に映り込んだ建物や制服から場所が特定されたり、投稿日時から行動パターンが把握されたりするリスクがあります。また、園内の内情や同僚への愚痴、保護者への批判などを裏アカウントで投稿し、それが発覚して炎上するケースも散見されます。インターネット上に投稿された内容は、世界中に拡散される可能性があり、一度拡散すれば取り返しがつきません。
多くの施設では、就業規則や誓約書において、SNS利用に関するガイドラインを定めています。これに違反した場合、懲戒処分の対象となるだけでなく、損害賠償請求や法的措置を取られる可能性もあります。公私の区別を明確にし、業務に関する情報は一切SNSに持ち込まないという鉄則を守ることが、自分自身と勤務先、そして何より子どもたちを守ることにつながります。
私的なトラブルや感情を職場や業務に持ち込むこと
プロフェッショナルとして仕事をする以上、プライベートな事情や感情を職場に持ち込み、業務に支障をきたすことは避けるべきです。家庭でのトラブルや体調不良、個人的な悩みによってイライラし、それを子どもや同僚にぶつけたり、集中力を欠いて安全管理がおろそかになったりすることは、子育て支援員として不適切な態度です。
子どもたちは大人の表情や雰囲気を敏感に感じ取ります。支援員が不機嫌であれば、子どもたちは不安を感じ、安心して過ごすことができなくなります。また、特定の同僚との私的な仲違いや派閥争いを業務中に持ち込み、連携を拒否したり陰口を言い合ったりすることも、職場環境を悪化させる要因となります。
もちろん、人間ですから感情の波はありますが、勤務中は気持ちを切り替え、常に安定した精神状態で子どもと向き合う努力が必要です。もし、どうしても業務に支障が出るほどの悩みや体調不良がある場合は、無理をして出勤し周囲に迷惑をかけるのではなく、休暇を取る、上司に相談するなど、適切な対処を行うべきです。職場は子どもたちのための場所であり、大人の事情でその環境を歪めてはならないという意識を持つことが、専門職としての責任です。
子育て支援員がやってはいけないことについてのまとめ
今回は子育て支援員がやってはいけないことについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・業務上知り得た子どもの家庭環境や個人情報を第三者に漏らしたりSNSに投稿したりしてはならない
・身体的な暴力だけでなく言葉による暴力や無視などの心理的虐待も絶対に行ってはならない
・人種や国籍や障害の有無や家庭環境などを理由に子どもや保護者を差別してはならない
・医師や看護師や保育士などの資格を持たないまま独断で医療行為や独占業務を行ってはならない
・子どもの人格を否定するような叱責や自尊心を傷つける言葉がけをしてはならない
・業務中に目を離したり危険な環境を放置したりするなど安全配慮義務を怠ってはならない
・特定の児童だけを可愛がったり逆に冷遇したりするなどの不公平な扱いをしてはならない
・子どもの発達段階を無視して食事や排泄や学習などを無理に強要してはならない
・保護者の価値観や意向を無視して自身の個人的な保育観を一方的に押し付けてはならない
・職員間の報告連絡相談を怠り自分勝手な判断で行動してチームの連携を乱してはならない
・業務に関する愚痴や内部事情や園児の写真を許可なくSNSやインターネット上に公開してはならない
・プライベートな感情やトラブルを職場に持ち込み子どもや同僚に悪影響を与えてはならない
・子どもが恐怖を感じるような威圧的な態度や大声での指導を行ってはならない
・アレルギー対応や薬の管理において確認を怠り子どもの命を危険に晒してはならない
子育て支援員という仕事は、未来を担う子どもたちの成長を支える尊い職業であると同時に、極めて重い責任を伴うものです。今回挙げた「やってはいけないこと」は、単なるルールの羅列ではなく、子どもの人権を守り、保護者からの信頼を得て、安全な環境を維持するための最低限の基盤です。
日々の業務に追われる中で、つい自分本位な行動をとってしまいそうになる瞬間があるかもしれません。しかし、常に「これは子どもの最善の利益になるか」「保護者に対して誠実か」「専門職として恥ずかしくないか」を問い続けることが大切です。正しい知識と高い倫理観を持ち続けることで、子どもたちの笑顔を守り、地域社会に貢献できる素晴らしい子育て支援員として活躍できるはずです。


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