育休中の引越しはどうなる?育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものを幅広く調査!

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近年働き方改革や子育て支援策の拡充に伴い共働き世帯の育児と仕事の両立を支援する様々な制度が整備されてきました。その中でも特に注目を集めているのが育児休業制度の改正と給付金の拡充です。政府は「次元の異なる少子化対策」の一環として男性の育児休業取得を強力に推進しておりその目玉政策として育児休業給付金が実質的に手取りの10割となる「出生後休業支援給付」の創設が決定されました。この制度を活用することで収入減少の不安を抱えることなく夫婦が協力して新生児の育児に専念できる環境が整いつつあります。

一方で子どもが産まれるタイミングは生活環境が大きく変化する時期でもあります。家族が増えることに伴いより広い住居への引越しや子育て環境が充実した自治体への移住を検討する家庭も少なくありません。引越しに伴う行政手続きの代表格が「転出届」と「転入届」ですが出産前後の慌ただしい時期に役所の窓口へ何度も足を運ぶことは大きな負担となります。そこで住民基本台帳法に基づく転出届の手続きを夫婦のどちらか一方がまとめて行うことで時間と労力を大幅に削減することが可能です。

本記事では育休を夫婦同時に取得して実質10割の給付を受けるための詳細な条件や計算方法について客観的な制度設計に基づいて徹底的に解説します。さらに引越しを伴う場合の手続きとして転出届を夫婦まとめて提出する際に必要なものやマイナンバーカードを活用したオンライン手続きの方法についても幅広く調査しました。育児休業の取得と引越しという人生の大きな転換期を同時に迎える方々が制度の恩恵を最大限に活用し円滑に手続きを進めるための包括的なガイドとしてお役立てください。

  1. 育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なもの
    1. 育児休業給付金が実質10割となる「出生後休業支援給付」の制度設計と導入背景
    2. 夫婦同時取得がもたらす育児環境へのメリットと雇用保険の要件詳細
    3. 転出届を夫婦まとめて提出する際に役所で必要なものと事前準備の徹底
    4. 出産と引越しが重なる時期の手続きスケジュールと全体像の把握
  2. 転出届を夫婦まとめて提出する際に必要なものの詳細と育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す手続き
    1. 窓口で転出届を夫婦まとめて行う際に必要なものと本人確認の厳格化
    2. マイナポータルを利用した引越しワンストップサービスと特例転出の手順
    3. 実質10割給付の算定基礎となる休業開始時賃金日額と上限額の仕組み
    4. 住所変更が育児休業給付金の支給手続きに与える影響と勤務先への報告義務
  3. 実質10割給付を目指す育休の夫婦同時取得のポイントと転出届を夫婦まとめて行う際に必要なもの
    1. 実質10割給付を受けるための夫婦同時取得の期間要件と例外規定の解説
    2. 育休期間中の社会保険料免除の仕組みと引越しに伴う健康保険の住所変更
    3. 転出証明書の取得と新住所地での転入届を夫婦まとめて行うための効率的な手順
    4. 児童手当や子どもの医療費助成の住所変更と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものの再確認
  4. 育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものについてのまとめ

育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なもの

育児休業給付金が実質10割となる「出生後休業支援給付」の制度設計と導入背景

育児休業制度はこれまで何度も改正が重ねられてきましたが給付金の大幅な引き上げは共働き世帯にとって極めて重要な関心事です。従来育児休業給付金は休業開始から最初の180日間は休業開始時賃金日額の67パーセントその後は50パーセントが支給される仕組みとなっていました。育休期間中は社会保険料(健康保険料および厚生年金保険料)が免除され雇用保険料や所得税もかからないため実質的な手取り額は休業前の約8割程度に相当するとされてきました。しかし残りの2割の収入減少が特に男性の育児休業取得をためらわせる要因の一つであると指摘されていました。

この課題を解決するため政府は「こども未来戦略」に基づき男性の育児参画を強力に後押しする新制度「出生後休業支援給付」を創設しました。この新制度は2025年(令和7年)4月からの施行が予定されており一定の要件を満たすことで給付率が従来の67パーセントから80パーセントへと引き上げられます。これにより社会保険料の免除等と合わせることで休業前の手取り賃金と比べて実質的に10割(100パーセント)の収入が保障されることになります。

この実質10割給付の恩恵を受けるためには原則として子の出生後8週間以内に夫婦がともに14日以上の育児休業を取得することが条件となります。配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親家庭の場合など夫婦同時取得が困難なケースに対する特例措置も設けられていますが基本的な設計思想は「夫婦が共に育児のスタートラインに立ち協働して子育てを行うこと」を経済的に支援することにあります。この画期的な制度の導入により収入面の不安から育休取得を諦めていた労働者が積極的に休業を取得できるようになることが期待されています。

夫婦同時取得がもたらす育児環境へのメリットと雇用保険の要件詳細

育児休業を夫婦同時に取得することには単なる経済的なメリットだけでなく産後の母体回復と新生児のケアという観点からも計り知れない意義があります。出産直後の女性の身体は交通事故に遭ったのと同じくらいのダメージを受けていると言われており十分な休養が不可欠です。この時期に配偶者が同時に育休を取得し家事や育児を全面的に分担することで母親の心身の負担を大幅に軽減し産後うつなどの深刻な健康問題を予防する効果が期待できます。また父親にとっても新生児期から育児に深く関わることで親としての自覚が芽生えその後の育児への継続的な参画を促す重要な契機となります。

実質10割給付の対象となるためには雇用保険の被保険者としての要件を満たす必要があります。具体的には育児休業を開始した日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上(または就業した時間数が80時間以上)ある完全月が通算して12ヶ月以上あることが基本条件となります。これは従来の育児休業給付金の受給要件と同様です。有期雇用労働者の場合はさらに子が1歳6ヶ月に達する日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)が満了することが明らかでないことが求められます。

夫婦同時に育休を取得する場合それぞれが自身の勤務先を通じてハローワークに対して育児休業給付の申請を行うことになります。新制度に基づく10割給付を申請する際には夫婦が共に要件を満たす期間(14日以上)休業していることを証明するための書類や配偶者の育休取得状況を確認できる書類の提出が求められる見込みです。制度の詳細な運用要領については厚生労働省から順次通達が出されるため勤務先の労務担当部署やハローワークの窓口で最新の情報を確認することが重要です。

転出届を夫婦まとめて提出する際に役所で必要なものと事前準備の徹底

出産を控えた時期や育休中の期間を利用してより広い住環境を求めて引越しをする家庭は多く存在します。引越しに伴う住民票の異動手続きの中で現在の市区町村から別の市区町村へ引越す際に最初に行うのが「転出届」の提出です。転出届は住民基本台帳法に基づき引越しの日(転入をした日)の14日前から引越し後14日以内に行うことが義務付けられています。

引越し準備や育児で多忙な中夫婦が別々に役所へ赴くのは非効率であるため同一世帯の夫婦であればどちらか一方がまとめて転出届を提出することが可能です。窓口で転出届を夫婦まとめて提出する際に必要なものは以下の通りです。まず届出に赴く人の「本人確認書類」が必須となります。これにはマイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの顔写真付きの公的証明書が該当します。顔写真付きの証明書がない場合は健康保険証や年金手帳などを複数組み合わせて提示する必要があります。

次に引越しをする全員分の「マイナンバーカード」を持参することが推奨されます。特に後述する「転出証明書の省略(特例転出)」を利用する場合にはマイナンバーカードが不可欠です。また自治体によっては届出印(認印)の持参を求めている場合もあるため念のため持参すると安心です。さらに同一世帯ではない(住民票上の世帯が別になっている)夫婦の転出届をまとめて行う場合には本人の直筆による「委任状」が必要となります。同一世帯の配偶者であれば委任状は不要ですが世帯主と世帯員の関係性や引越し後の世帯構成(世帯合併や世帯分離)について窓口で正確に説明できるように新住所や新しい世帯主の氏名などを事前にメモしておくと手続きがスムーズに進行します。

出産と引越しが重なる時期の手続きスケジュールと全体像の把握

出産と引越しという人生の一大イベントが同時期に重なる場合各種行政手続きのスケジュール管理が極めて重要になります。特に育児休業給付金の手続きと住民票の異動手続きはそれぞれに厳密な期限が設けられており手続きの遅れが給付金の支給遅延や行政サービスの受給漏れにつながる恐れがあるため注意が必要です。

理想的なスケジュールとしては引越しの約2週間前までに現在住んでいる市区町村の窓口で転出届を夫婦まとめて提出し「転出証明書」を受け取ります(マイナンバーカードによる特例転出の場合は紙の転出証明書は発行されません)。引越しが完了し新居に住み始めた日から14日以内に新住所地の市区町村窓口で「転入届」を提出します。この際マイナンバーカードの住所変更手続き(継続利用手続き)も忘れずに行う必要があります。

これと並行して育児休業給付金の手続きも進める必要があります。育休の取得申請は原則として休業開始予定日の1ヶ月前までに勤務先へ申し出ることが法律で定められています。引越しによって住所が変更になる場合勤務先にも速やかに住所変更届を提出しなければなりません。ハローワークに提出する育児休業給付の申請書類には申請者の住所を記載する欄があり引越しと申請のタイミングによっては旧住所と新住所のどちらを記載すべきか迷うケースがあります。基本的には申請時点での住民票上の住所を記載することになりますが住所変更の手続き中である旨を勤務先の担当者に伝えておくことで給付金に関する通知書が旧住所宛てに送付され不達となるトラブルを防ぐことができます。また郵便局への転居届(郵便物の転送手続き)も引越し前に済ませておくことが不可欠です。

転出届を夫婦まとめて提出する際に必要なものの詳細と育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す手続き

窓口で転出届を夫婦まとめて行う際に必要なものと本人確認の厳格化

役所の窓口で転出届を夫婦まとめて提出する際の手続きは住民基本台帳の正確性を維持し個人情報の不正取得を防ぐ観点から厳格な本人確認のもとで行われます。同一世帯の夫婦であれば一人の来庁で二人分の転出届を完了させることができますがその際に必要なものを正確に把握し漏れなく持参することが二度手間を防ぐための第一歩です。

窓口で提出する「転出届(住民異動届)」の用紙は各自治体の窓口に備え付けられており多くの場合自治体の公式ウェブサイトから事前にダウンロードして記入しておくことも可能です。用紙には異動日(引越し予定日または引越しした日)、新住所、旧住所、新世帯主の氏名、旧世帯主の氏名、異動する人全員の氏名・生年月日・続柄などを正確に記入する必要があります。

必要なものの中で最も重要なのが窓口に来た人の本人確認書類です。運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、在留カードなど官公署が発行した顔写真付きの身分証明書であれば1点で本人確認が完了します。これらがない場合は健康保険証、年金手帳、社員証、学生証などを2点以上提示するよう求められます。配偶者の本人確認書類は同一世帯であれば原則として不要ですが手続きの内容によっては提示を求められることもあるため可能であれば夫婦両方の本人確認書類を持参するのが無難です。

また印鑑については近年行政手続きの押印廃止が進んでいるため自署であれば不要としている自治体が増加していますが念のため認印を持参しておくといざという時に安心です。もし引越しに伴い国民健康保険や国民年金に加入している場合や児童手当、乳幼児医療費助成(マル乳・マル子など)を受給している場合はそれらの関連書類(健康保険証、医療証など)も返還や変更手続きのために必要となります。転出届は単なる住所変更だけでなくそれに紐づく様々な行政サービスの終了・移管手続きの起点となるため何の手続きが必要になるかをあらかじめリストアップしておくことが推奨されます。

マイナポータルを利用した引越しワンストップサービスと特例転出の手順

近年行政のデジタル化が急速に進み転出届の手続きは役所の窓口に出向かなくてもオンラインで完結できるようになりました。その中核となるのがマイナポータルを通じた「引越しワンストップサービス」です。このサービスを利用すれば自宅のスマートフォンやパソコンから24時間いつでも転出の届出を行うことができ夫婦まとめての手続きもオンライン上で完結させることが可能です。

引越しワンストップサービスを利用するために必要なものは以下の通りです。まず署名用電子証明書および利用者証明用電子証明書が有効な状態のマイナンバーカードが必要です。またマイナンバーカードのICチップを読み取るためのNFC対応スマートフォンまたはパソコンとICカードリーダーライターが必要です。さらにマイナンバーカード発行時に設定した暗証番号(署名用電子証明書の6桁から16桁の英数字および利用者証明用電子証明書の4桁の数字)を正しく入力できなければなりません。

手続きの手順としてはまずマイナポータルにログインし「引越しの手続き」メニューを選択します。画面の指示に従い引越し予定日、新住所、引越しをする人の情報(夫婦まとめての場合は配偶者の情報も選択)を入力します。入力内容を確認後マイナンバーカードをスマートフォンで読み取り署名用電子証明書の暗証番号を入力して電子署名を行うことで転出の届出データが現在の市区町村へ送信されます。

この手続きを行った場合紙の「転出証明書」は発行されません。代わりに転出情報がマイナンバーカードを介してネットワーク上で新住所地の市区町村へ連携される「特例転出」という扱いになります。マイナポータル上で申請状況が「完了」となったことを確認した後引越しの日から14日以内に新住所地の窓口へマイナンバーカードを持参して転入届を行うことになります。オンラインで転出届を済ませることで窓口での待ち時間をゼロにでき出産前後の体調が不安定な時期や育児で外出が難しい時期には極めて有効な手段となります。

実質10割給付の算定基礎となる休業開始時賃金日額と上限額の仕組み

育児休業給付金が実質10割となる新制度において給付額がどのように計算されるのかその詳細な算定方法を理解しておくことは家計の資金計画を立てる上で非常に重要です。給付金の算定の基礎となるのが「休業開始時賃金日額」です。これは育児休業を開始する前6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180で割って算出した金額です。ここでの賃金には基本給だけでなく残業代や通勤手当などの各種手当も含まれますがボーナス(臨時に支払われる賃金や3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金)は除外されます。

実質10割給付となる出生後休業支援給付ではこの休業開始時賃金日額に支給日数を掛けた金額の80パーセント(通常は67パーセント)が支給されます。給付率が80パーセントであっても育休期間中は社会保険料(給与の約15パーセント程度)が労使ともに免除されさらに給付金には所得税や雇用保険料がかからないため休業前の手取り賃金と比較すると実質的に100パーセント相当の収入が確保されるという計算になります。

ただし休業開始時賃金日額には法律で定められた上限額と下限額が存在することに注意が必要です。上限額は毎年8月1日に勤労統計に基づいて改定されますが休業前の賃金が極端に高い労働者の場合この上限額に到達してしまうため実質的な手取りが10割を下回る現象が発生します。したがって自身の休業開始時賃金日額が上限額の範囲内に収まっているかどうかをあらかじめ試算しておくことが求められます。

また夫婦同時に育休を取得する場合夫婦それぞれが自身の休業開始時賃金日額に基づいて給付金を受け取ることになります。例えば夫の月給が30万円、妻の月給が25万円であった場合夫婦合計で手取りにして毎月約45万円程度(それぞれの社会保険料控除後の額)の収入があったと仮定すると新制度下で夫婦が同時に休業した期間についてはほぼ同水準の世帯収入が確保されることになります。この経済的安心感は引越し費用の捻出や新しい家具家電の購入など新生活の準備にも大きく貢献します。

住所変更が育児休業給付金の支給手続きに与える影響と勤務先への報告義務

引越しによって住所が変更になった場合育児休業給付金の手続きや受給にどのような影響を与えるのかを正確に把握しておく必要があります。育児休業給付金の申請手続きは原則として事業主(勤務先)を経由して事業所の所在地を管轄するハローワークに対して行われます。したがって受給者本人の居住地が他県や他市区町村に変わったとしても申請窓口となるハローワーク自体が変更されるわけではありません。

しかし住所変更が生じた場合は速やかに勤務先へ新しい住所を報告する義務があります。ハローワークに登録されている受給者の住所情報は給付金の支給決定通知書などの重要書類を送付するための宛先として使用されます。住所変更の報告を怠り書類が旧住所へ送付されて宛先不明で返送されてしまうとハローワークからの重要な通知を受け取ることができず最悪の場合は給付金に関する確認事項に回答できずに支給が差し止められるリスクもゼロではありません。

引越しが決まったらまず勤務先の人事・労務担当部署に連絡し住所変更の社内手続き(身上異動届などの提出)を行います。勤務先はこの情報に基づいてハローワークに対して氏名・住所変更の届出を行うことになります。この手続きは次回の育児休業給付金の支給申請書類を提出する際に併せて行うのが一般的ですが引越しの時期と支給申請のタイミング(通常は2ヶ月に1回)によっては早期の個別対応が必要になる場合もあります。

また育休中は通勤定期券を利用しないため盲点になりがちですが通勤手当の支給基準となる住所が変更されるため職場復帰後の通勤経路や手当の金額についても事前に勤務先とすり合わせを行っておくことが推奨されます。特に長距離の引越しをした場合勤務先の就業規則に定められた通勤可能範囲を超えていないか保育園の送迎時間と通勤時間の兼ね合いで時短勤務への変更が必要にならないかなど住所変更が働き方そのものに与える影響についても十分に検討しておく必要があります。

実質10割給付を目指す育休の夫婦同時取得のポイントと転出届を夫婦まとめて行う際に必要なもの

実質10割給付を受けるための夫婦同時取得の期間要件と例外規定の解説

2025年4月から施行予定の出生後休業支援給付において実質10割(給付率80パーセント)の給付を受けるためには夫婦同時取得の期間要件を正確に満たす必要があります。基本的な要件としては子の出生後8週間(産後パパ育休の対象期間と同等)の間に夫婦がそれぞれ14日以上の育児休業を取得することが求められます。この「14日以上」という期間は暦日(休日や祝日を含む連続した日数)で計算されるのが一般的であり休業開始日から起算して14日間を満たす必要があります。

実質10割の給付が行われるのは夫婦ともに育児休業を取得している期間のうち最大で28日間までとなります。つまり夫婦が完全に同じ期間に28日間の育休を取得した場合その全期間が給付率引き上げの対象となります。夫婦の取得期間が完全に重複していなくても双方が14日以上取得するという要件を満たしていればそれぞれの育休期間について最大28日間まで給付率が80パーセントに引き上げられるという柔軟な制度設計が想定されています。

一方で多様な家族形態に配慮した例外規定(特例措置)も設けられています。例えば配偶者が専業主婦(夫)である場合、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者である場合、あるいは病気や障害などの理由で配偶者が育児休業を取得できない場合には夫婦同時取得の要件が免除され労働者本人が単独で14日以上の育休を取得するだけで実質10割給付の対象となる見込みです。また配偶者がいないひとり親家庭(シングルファザーやシングルマザー)についても同様に単独での取得で要件を満たします。

これらの要件や例外規定の適用を受けるためには申請時に配偶者の就業状況や育休取得状況を証明する書類の提出が必要となります。配偶者が同じ職場で働いている場合は社内で確認が完結しますが別々の企業に勤務している場合は配偶者の勤務先が発行する育児休業取得証明書などの提出が求められる可能性があります。制度の運用開始に向けてハローワークから提示される具体的な必要書類のリストを事前に確認し夫婦で協力して準備を進めることが不可欠です。

育休期間中の社会保険料免除の仕組みと引越しに伴う健康保険の住所変更

育児休業給付金が手取りベースで実質10割となるカラクリの重要な部分を担っているのが育休期間中の「社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の免除制度」です。この免除制度の恩恵を確実に受けるためには免除となる条件を正確に理解しておく必要があります。

社会保険料の免除要件は2022年(令和4年)10月に法改正が行われより柔軟に適用されるようになりました。具体的には以下のいずれかの条件を満たす場合にその月の社会保険料が免除されます。

1つ目は「その月の末日が育児休業期間中であること」です。例えば10月15日から11月5日まで育休を取得した場合10月の末日(10月31日)は育休中であるため10月分の社会保険料が免除されます。

2つ目は「その月の中で14日以上の育児休業を取得すること」です。月末に休業していなくても同じ月内に開始・終了する育休でその日数が14日以上であればその月の社会保険料が免除されます。

この社会保険料免除の手続きも勤務先を通じて日本年金機構に対して行われます。引越しをして住所が変更になった場合この社会保険の手続き上でも住所変更が必要となります。マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている被保険者の場合引越しに伴う住民票の転入届を行うことで自動的に日本年金機構の住所情報も更新されるため原則として被保険者自身による住所変更の届出は不要となっています。ただしマイナンバーが未収録の場合や海外からの転入などの特殊なケースでは勤務先を経由して「被保険者住所変更届」を提出する必要があります。

また健康保険証についても住所変更の手続きが必要です。多くの健康保険組合や協会けんぽでは保険証の裏面に住所を自筆で記入する欄が設けられており引越しをした場合には自身で旧住所を二重線で消し新住所を記入することで対応が可能です。ただし健康保険組合によっては新しい住所が印字された保険証の再発行手続きが必要な場合もあるため勤務先の担当者に確認することが確実です。引越し後すぐに小児科での予防接種や自身の体調不良で医療機関を受診する可能性があるため健康保険証の住所更新は速やかに行うべき重要な作業です。

転出証明書の取得と新住所地での転入届を夫婦まとめて行うための効率的な手順

役所の窓口で紙の「転出証明書」を受け取る従来型の引越し手続きを行う場合新住所地での「転入届」も夫婦まとめて行うことで手続きの手間を半減させることができます。転入届は引越しをしてから(新しい住所に住み始めてから)14日以内に新住所地の市区町村の窓口へ提出しなければなりません。法律上引越し前にあらかじめ転入届を提出することは認められていません。

新住所地の窓口で転入届を夫婦まとめて行う際に必要なものは以下の通りです。まず旧住所地で発行された「転出証明書」(特例転出の場合は不要)が必要です。次に窓口に来た人の「本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)」を持参します。さらに最も重要なのが夫婦全員分の「マイナンバーカード」です。引越しに伴いマイナンバーカードの内部に記録されている住所情報を書き換える手続き(継続利用および券面事項更新)が必要となるためカード自体を忘れずに持参しなければなりません。この際それぞれのマイナンバーカードに設定した暗証番号(数字4桁の住民基本台帳用暗証番号)の入力が求められるため夫婦の暗証番号を事前に確認しておく必要があります。

さらに同一世帯ではない夫婦がまとめて転入届を行う場合には転出届と同様に「委任状」が必要となります。転入届の提出と同時に住民票の写し(世帯全員分が記載されたもの)を数通取得しておくと後日行う運転免許証の住所変更や銀行口座の住所変更職場への提出などに利用できて便利です。

また引越しに伴いマイナンバーカードの「署名用電子証明書」は住所変更によって自動的に失効する仕組みになっています。オンラインでの行政手続きやe-Taxによる確定申告などを利用する予定がある場合は転入届の手続きと併せて署名用電子証明書の新規発行手続きも忘れずに行う必要があります。これも数字とアルファベットが混在した6桁から16桁の暗証番号の入力が必要となるため事前の準備が欠かせません。

児童手当や子どもの医療費助成の住所変更と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものの再確認

子どもがいる家庭が引越しをする際に転出届や転入届と並んで決して忘れてはならないのが「児童手当」と「子どもの医療費助成(マル乳・マル子など)」に関する手続きです。これらの福祉制度は市区町村単位で運営されているため他の市区町村へ引越す場合には現在住んでいる自治体での受給資格を消滅させ新しい自治体で改めて認定請求を行うというプロセスが必要となります。

児童手当の手続きについては旧住所地の窓口で転出届を提出する際に併せて「児童手当受給事由消滅届」を提出します。そして新住所地で転入届を提出する際に「児童手当認定請求書」を提出します。児童手当は申請した月の翌月分から支給されるのが原則ですが月末に引越しをした場合などで申請が翌月にずれ込んでも転出予定日の翌日から数えて15日以内に申請を行えば転出予定日の属する月の翌月分から切れ目なく支給される「15日特例」というルールがあります。この期限を過ぎてしまうと手当を受け取れない空白の月が発生してしまうため引越し後は最優先で行うべき手続きです。新しい自治体での認定請求には請求者(所得が高い方の親)名義の銀行口座がわかるものと健康保険証のコピーなどが必要となります。

子どもの医療費助成についても同様に旧住所地で医療証を返還し新住所地で新たに交付申請を行います。新しい医療証が手元に届くまでの間に子どもが病気になり病院を受診した場合は一旦窓口で医療費(2割または3割)を立て替えて支払い後日自治体の窓口で領収書を添えて還付請求の手続きを行うことで払い戻しを受けることができます。

これらの福祉関連の手続きも転出届や転入届を夫婦まとめて行う際に窓口で一括して処理することが可能です。手続きの漏れを防ぐためには転出届を提出する窓口で「現在受給しているサービスの一覧」を確認しそれぞれについてどのような手続きが必要か担当職員の指示を仰ぐのが最も確実です。引越しという慌ただしい時期であっても夫婦が協力して効率的に行政手続きを済ませることで安心して育児休業の実質10割給付を活用し新しい生活基盤を構築していくことができるのです。

育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものについてのまとめ

今回は育休を夫婦同時に取得し10割給付を目指す条件と転出届を夫婦まとめて出す際に必要なものについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・2025年4月施行予定の新制度により条件を満たすと育児休業給付金が実質手取り10割となる

・実質10割給付の基本条件は夫婦が子の出生後8週間以内にともに14日以上の育休を取得することである

・給付率が80パーセントに引き上げられ社会保険料の免除と合わせて実質的に休業前の手取りと同水準になる

・ひとり親や配偶者が専業主婦などの場合は単独での育休取得でも実質10割給付の特例対象となる

・引越し時の転出届は住民基本台帳法に基づき引越し前または引越し後14日以内に行う必要がある

・同一世帯の夫婦であれば委任状なしでどちらか一方が窓口でまとめて転出届を提出することができる

・窓口で転出届を提出する際に必要なものは窓口に行く人の顔写真付き本人確認書類とマイナンバーカードである

・マイナポータルを利用した引越しワンストップサービスを使えばオンラインで夫婦まとめて転出手続きが可能である

・マイナンバーカードを使った特例転出を行う場合は紙の転出証明書は発行されず情報がネットワークで連携される

・引越し後は新住所地で14日以内に夫婦全員分のマイナンバーカードを持参して転入届を行う必要がある

・育休中に引越しをした場合はハローワークへの給付金申請に備えて速やかに勤務先へ住所変更を報告する

・児童手当の住所変更は転出予定日の翌日から15日以内に新自治体で申請しないと受給できない月が発生する

・子どもの医療費助成の医療証も旧自治体へ返還し新自治体で新たに交付申請を行う手続きが必須である

育児休業の制度拡充によって夫婦が揃って育児に専念できる環境はかつてなく整ってきています。引越しという大きなライフイベントが重なった場合でも必要な手続きと書類を事前に把握しておくことでスムーズに新生活をスタートさせることができます。夫婦で情報を共有し協力しながら大切な新生児との時間を有意義に過ごしてください。

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